Oracle Linux Storage Appliance を使ってみる
Oracle Cloud Infrastructure (OCI) の File Storage Service (FSS) は NFSv3 なので、 Windows からもマウントできるといえばできるのですが、 CIFS 環境を用意したい場面もあるかと思います。
そんな需要に対して Oracle では Oracle Linux Storage Appliance という、Linux ベースの SAMBA サーバのイメージを提供しており、 Web UI 等もあるため、簡単に利用することができます。
最近まで OCI の画面からデプロイする方法がなく、若干めんどくさかったのですが、めでたく Oracle Provided Image としてプロビジョニングできるようになりましたので、試してみました。 ドキュメントは以下です。 Oracle® Linux Storage Applianceデプロイメントおよびユーザー・ガイド
Oracle Linux Storage Appliance インスタンスの作成
Oracle Linux Storage Appliance は、 Compute の Instance として立てます。 VM でも BM でも構成可能で、 BM で内蔵の NVMe ストレージがある場合はそちらが Volume として使われ、 NVMe がない場合は Block Storage をアタッチして使います。
OS イメージとして Linux Storage Appliance を選択する必要があります。
Oracle Images の中にあります。 (あっ、 EM のイメージもある…知らなかった) その他の設定は普通に Compute インスタンスを立てるときと同じです。適宜ご設定ください。あとで ssh ログインするので key も設定しておいてください。
Oracle Linux Storage Appliance インスタンスへのアクセス
インスタンスができ、アクセスできるようになったら opc ユーザで ssh ログインしてください。
Web UI にアクセスするために、ローカルに ssh ポートフォワーディング設定をします。ターミナルソフトによって設定が違うかと思いますので、適宜設定ください (Tera Term でやっています)。
Web UI は 443 ポート (HTTPS) で公開されていますので、 443 をローカルの 8443 ポートにフォワードします。
ローカルのブラウザで 8443 ポートにアクセスします。最初に admin ユーザのパスワードを設定します。 大文字・小文字・特殊文字・数字の組み合わせが求められます。
設定したらログインします。
Block Volume のアタッチと Storage Pool 作成
が、インスタンスを立てただけだと、ストレージがないと怒られます。
ので、 Block Volume を作ってアタッチします。
インスタンスと同じ AD に構成します。
インスタンスの画面に戻り、 Attache Block Volume します。
Attach すると自動的に認識するので、Web UI から Storage Pool を作ります。(認識しない場合はブラウザを再起動して、ログインし直していただくとよいかもです)
Volume をチェックして、 Add すると、自動的に Pool が作られます。 (Linux インスタンスで見てみると、このタイミングで LVM 作って、 XFS 作っているみたいです)
Pool ができると Dashboard で確認できるようになります。 画面上、いろいろと簡易な NAS っぽい画面が確認できると思うので、見てみていただけると雰囲気がつかめるかと思います。 Administration の画面に細かい設定は乗っています。
SMB での公開
SMB での公開は Storage の画面から可能です。 Add を押します。
公開設定は Share という呼ばれ方をしており、 Share の名前、サイズ、 SMB でアクセスするときのパスなどを設定します。 AD 連携等も設定可能なようですが、今回は Guest アクセスを許容します。
Oracle Linux Storage Appliance のインスタンス内で見てみると、/.lsa というパスに lsa.conf という設定ファイルがあります。 Share を作ると /shares/シェア名 というパスで公開されます。
[opc@kokane-lsa-01 smb]$ lsblk NAME MAJ:MIN RM SIZE RO TYPE MOUNTPOINT sdb 8:16 0 1T 0 disk |-lsa-smbtest 252:1 0 200G 0 lvm /shares/smbtest `-lsa-__lsa 252:0 0 64M 0 lvm /.lsa sda 8:0 0 46.6G 0 disk |-sda2 8:2 0 8G 0 part [SWAP] |-sda3 8:3 0 38.4G 0 part / `-sda1 8:1 0 200M 0 part /boot/efi [opc@kokane-lsa-01 .lsa]$ ls /.lsa/etc/smb lsa.conf lsa.conf.bak [opc@kokane-lsa-01 .lsa]$ more /.lsa/etc/smb/lsa.conf [smbtest] guest ok = False strict sync = False sync always = False browsable = False read only = False path = /shares/smbtest directory mask = 0770 create mask = 0770
Share の Actions のボタンから、各種設定が可能です。今回は Mount Information を確認します。
アクセスに必要な情報が表示されるので、 SMB File Explorer URL をコピーしておきます。
Windows Server 2016 からのアクセス
OCI 上に立てた Windows Server 2016 から Storage Appliance にアクセスしてみます。事前に VCN の Security List は適切に設定しておく必要があります。
先程コピーしたパスを Explorer でペーストすると、難なくアクセスできました。
当然ですが、ファイルもかけました。
まとめ
今回 Linux Storage Appliance を設定してみましたが、 OCI Console からプロビジョニングできるので簡単な印象を受けました。 AD 連携や Object Storage へのバックアップもできるようなので、簡易な CIFS 領域を用意したい場合には選択肢の一つになるかなと思います。ただし、マネージドサービスではないのでインスタンスの監視や管理は運用として考慮する必要があります。