きそくただしいせいかつ

日々の生活のペースセッター

『カリスマ』読了

カリスマ―中内功とダイエーの「戦後」〈上〉 (新潮文庫)

カリスマ―中内功とダイエーの「戦後」〈上〉 (新潮文庫)

 ダイエー中内功の物語。伝記のように略歴を追いながらダイエーの周囲の人たちのインタビューも含め、「中内ダイエー」とは何だったのかを問う本。筆者が所々に挟む連想は、若干飛躍しすぎのように思われるが、時代をいきいきと描くという意味では一定の効果を果たしている。中内ダイエーの冷酷な姿を描きながらも、戦後ダイエーが果たした役割も感じさせる。阪神大震災において、ダイエーが流通の真骨頂を発揮したエピソードはしびれるものであるとともに、中内ダイエー終焉前の最後の花火だったと感じた。