きそくただしいせいかつ

日々の生活のペースセッター

サマーウォーズみてきた。

「勝てそうだから戦うとか、負けそうだから戦わないとかそういうことじゃねえんだ、この戦いは。」

ということで、サマーウォーズを見てきました。梅田ブルク7でしたが、映画の日ということもあってレイトショーながらほぼ満席。

ネタバレも含む気がしますが以下感想。


序盤はどうなんだろこれは、面白いのかと不安に思う。ありきたりな展開、セカンドライフっぽい仮想世界(oz)が舞台、キャラクター多すぎて把握できない、夏希先輩と健二の主人公の二人の関係がイマイチはっきりしない(物理部の先輩後輩らしいが、健二はあれコンピュータ部じゃないのか、とか)。ただ、ozの紹介で富山県民的にはにやり。細田守監督やんややんや。しかし、高校生を描かれるとまぶしくて目を背けたくなりますね、ダメ大学生としては。

それに、ozのセキュリティがそんな簡単に破られるんか、とか突っ込みをいれながら、「この映画、どうしたいんだ?」と思う。

でも、おばあちゃんが動き出して以来、ちょっと「いいかも」と感じ始める。おばあちゃんの一挙手一投足が、泣かせるんです。と、同時に実家帰りたい、っていう気分高まる。朝顔と入道雲。家族全員が沈むシーンでの、横スクロール的な表現が重い。健二が指を握るシーンは、ちょっと恥ずかしくなりながらも、しんみりくる。そして、なんといっても、その後の漁師の万助が非常に好き。破天荒さが何とも言えない。ただ、ベクトルコンピュータやらミリ波通信用モジュールやら持ってくるんすか、とか、それAIと戦う上でどうして必要なんだろ、とか思う。この辺のめちゃくちゃさは、気にすべきじゃないんだけど、ちょっとすっきりしない、かも。NECのSX9が田舎の家にぶちこまれてる図はバカバカしくて面白いんですが。その後の、戦闘シーンはすごいよく動くなーと思って「時かけ」との予算の差を見せつけられました。

おばあちゃんの遺書を読むシーンは、どうしていいかわからなくなるけど、ごはん食べろっていうのはすげえばあちゃんらしい気がする。「時間ないだろ」、って心の中で突っ込んだけど。万助に「勝てそうだから戦うとか、負けそうだから戦わないとかそういうことじゃねえんだ、この戦いは。」って言われると心が熱くなる。

夏希先輩が花札で勝負を挑むシーン。夏希先輩の、「こいこい」というセリフがいい。そして、夏希先輩を世界中のアバターが応援している、というシーンのおかげで、ネットとかそういうのを否定しない立場を取ってくれて、なんというかほっとしました。最終的に、仮想世界のつながりも、家族のつながりも肯定してくれてる。

健二にお鉢が回ってくる。「まだ、負けてません」数学オリンピック日本代表になり損ねた、というすごいんだかすごくないんだかわかんない成績ながら驚異のスピードで解いていく。健二かっこいいかもしんない、と、夏希先輩同様みんなが思い始める瞬間。

アニメの強みを全部使って、健二が最後まで情けない感じなのもいいと思った。ちょっとやり過ぎなくらいだったけど。

これ結局、仮想世界がどうとかって、エピソードとして出てくるだけで、どーっでもよくって、自信ない健二が自分の力に気づくとか、ガキっぽい夏希先輩がちょっと成長するとか、陣内家が1つになって大事なものを取り戻すとか、普遍的なところに返ってくるので万人向けになってると思います。

サマーウォーズ」というタイトルが、「サマー」を強調している意味がイマイチわからないのですが、先祖の話がかなり出てくるので「お盆に先祖が帰ってくる」ということと併せて「サマーウォーズ」なのかな、と思ったり。武家としての過去の戦いと重ねるような意味で。ただ、そうだとすると、甲子園の予選の時期には合わないんですが・・・。

日本的な家族にけっ、て思ってるとしんどいかも。あと、コンピュータとかの知識に関して、突っ込んじゃ楽しめないと思います。その辺はあんまり気にしないで、おこう。

そして、非常に世界に売ることを意識してるのかなーと思ったり。KimonoをきたJapanese GirlがJapanese Card GameでAIを倒す、みたいな描写結構うけるんじゃないか。配給、ワーナーだし、狙ってるんだろうなー。

山下達郎のテーマソングは、CMで聞くとすごいいいんですが、映画館の音響で聞くと物足りない感じがします。映画館の音響に、あんまりあってないのかしら。松本晃彦の音楽は非常にいいです。ぞくぞくします。

サイバーな映画を見に行くつもりで行くと、肩すかしを食らわされますが、田舎が懐かしくなる、夏休み向けな映画です。DVD買うかも。


・・・個人的には、コンピュータの勉強をしようと思いました。旧家の出で東大卒で留学経験有りわびすけおじさんかっけーっす。ラブマシーンって、名付けるセンスはいただけないけど。